小松島の名物アナウンサー茂村華奈さん引退　輪界初の女性実況27年間「やり尽くしました」

小松島の名物アナウンサー茂村華奈さん引退

小松島競輪の名物アナウンサー茂村華奈さんが、3月末に引退し、競輪業務から離れる。実況は昨年12月から後継者として育てた元ガールズケイリンの岩原紗也香さんにバトンを渡していた。

「小松島は俺の庭！」「阿波の闘犬がほえる」など、選手に付けたキャッチフレーズを駆使した男性顔負けのパワフルな実況で人気を博した。「やり尽くしました。何の悔いもありません。さみしさもなくて解放感だけがあります」と晴れやかに話した。

競輪界初の女性実況アナとして27年間、休まずにしゃべり続けた間には想像を超えるプレッシャーがあった。それでも「女の私にしかできないことをやってやろうと思いました。女性ファンや、初めて実況を聞く人に分かりやすく、難しい競輪用語を使わず、私が感じたことを伝えること。選手にキャッチフレーズを付けるのも、ファンに親しみを持ってもらうために始めました」と、女性ならではの仕事ができた自負もあった。

27年間の実況で印象深かったのは、先行やマーク屋として最後まで自分のスタイルを貫き、ひっそり辞めた無名選手の引退レースだったという。

「3分半のレースの中で、1着を取るために命を削って体を鍛え、70キロ前後のスピードで肉弾相打つ選手たちには尊敬しかない。その格好良さを余すことなく伝えるためにしゃべってきたんです」。茂村さんの実況がもう聞けないのは本当に寂しい。

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