ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さん。一昨年の末に開催された「オッズパーク杯 ガールズケイリングランプリ2021」で見事に優勝。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで昨年5月に選手を引退。現在は保護犬・保護猫活動を行っている。
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元競輪選手から見る“自転車”とは

自転車は、競輪選手にとって“相方”と言っても過言ではない。1つ1つのパーツが緻密に組み合わさって作り上げられた自転車で、競輪選手は日々賞金を獲得すべく戦っている。選手たちが命を預けている商売道具には、並々ならぬ思い入れがあるだろう。 そこで今回は、派手なハートマークが所狭しと描かれているフレームがトレードマークにもなっていた高木さんに、自転車にまつわる話を聞いた。

競輪で使用される自転車は「レーサー」と呼ばれ、一般の自転車との最大の相違点はブレーキがないこと。他にもさまざまな違いがあるが、もちろん価格面も一般の自転車とは大きな差がある。パーツの1つ1つが認定されたものしか使用できないこともあり、1台あたりに掛かる金額は総額100万円を超えるものもあるようだ。
「ガールズ選手が使っている自転車は、フレームだけで30万円くらい。新型だと70万円以上の高額なフレームもあります。その他のハンドルやタイヤなどを含めた1台総額となると100万円以上掛かることもありましたね。ただ、自転車のパーツって必ずしも高いものが良いというわけでもなくて、自分に合うかどうかが重要なんです。本当はたくさん試したいのですが、試すためには購入しないといけないので、どこまでお金を掛けるかは難しいところです」
自転車を競輪場に持っていく方法は
そんな高額な自転車をレースのたびに全国各地の競輪場に持っていくわけだが、どのように運んでいるのだろうか。
「レースで競輪場に持っていくときは発送するケースもありますが、送料は自費ということもあって、行ける範囲の場所なら車で行きます。ちなみに発送する場合は『届かない問題』も稀にあって……。
通常開催の場合は午前中必着なのですが、ギリギリまで届いていないときのソワソワはハンパじゃないです。仮に遅くなったとしても荷物の問い合わせ番号をしっかり保管していて、遅れている事情がわかるのなら問題はないのですが、自分のミスで時間通りに届かない場合はレースに出られなくなってしまうので……」
この“届かない問題”は稀に発生するようで、高木さんも現役時代にハラハラした経験があったという。
「私も一度、予定の時間までに自転車が届かないことがあって、結果的にお問い合わせ番号から近くの集荷場にあることがわかったので大丈夫だったのですが、そのときはハラハラしましたね」
前検日で行われる自転車のチェック
そして前検日に無事に自転車が届いたあと、自転車のチェックが行われる。基本的には問題なく通過できることが多いが、稀にそのチェックで指摘されるケースもあるようだ。
「チェックが通らないケースとしてよくあるのがタイヤの劣化やチェーンが伸びているときなどですね。タイヤに傷が入っていたらパンクの恐れがあるので『交換してください』と言われます。
余談ですが、検査するときに今のタイヤで何開催出走したかどうかがわかるようになっていて、10開催くらい出走したら『大事に使ったね』という感じになりますね(笑)」
チェックが通らなかったときに駆け込む「部品売店」とは
ではチェックが通らなかった場合、どのように部品を調達するのだろうか。話を聞くと、「選手しか利用することができない売店が競輪場内にあるんです」とのこと。
「チェックが通らなかったときは、翌日の朝のチェックまでに交換しないと出走できません。交換するために必要なタイヤやチェーンなどの部品は『部品売店』という選手しか利用できない売店があって、そこで購入して交換するんです。フレームのような大きいものはさすがにないですが、基本的な部品はそこで買うことができます」
レース中の事故が発生した場合の補償は?
チェックや整備などを経て、選手は“相方”とともに満を持してレースに挑む。ただ、レース中に事故が発生してしまうこともあり、そうなると高額な費用を負担して修理や買い替えをしなければならない。その場合の補償などはあるのだろうか。
「レース中に事故が発生したときは、すぐに検車員さんが自転車をチェックします。補償は少し出ますが、そのときにチェックされなかったものに関しては一切出ないので、すぐにチェックしてもらわないといけないんです。例えば落車して治療を受けなくちゃいけないときでもチェックしないといけないので、同県の人たちが代わりに自転車のチェックに行ってくれるケースもありましたね」
引退後も自転車に乗っている?
2021年のガールズグランプリを優勝し、まったく未練なく競輪選手を引退した高木さん。そんな彼女に、引退後も自転車に乗っているのかどうかを聞いてみた。
「競輪用の自転車はブレーキがついていないこともあって公道では一切乗れません。だから引退した後は、現役のときに乗っていた自転車には一切乗っていないですね。選手のときは感覚が変わるのが嫌で、競輪用の自転車以外は絶対に乗りたくなかったんですよ。でもやめてからは移動手段として普通にママチャリに乗っています。電動自転車はラクでいいですね(笑)」
競輪選手にとって、日々の練習などの努力はもちろんのこと、自転車に関する知識や整備の技術なども必要になる。また、ギア倍率やフレーム変更についての選手コメントなどの情報も公表されているため、予想する側としても関係ない話ではない。選手1人1人がすべて自分で用意した自転車で戦っていることに改めて注目してみると、いつもと違った目線でレースを楽しめるだろう。
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