2020年9月11日、ミッドナイト競輪別府8Rチャレンジ決勝
中国4車ラインに対抗の九州3車ラインという、7車立て二分戦。
中国4車ライン | 先頭⑦増成富夫選手(岡山66期・49歳) ↓④岡崎哲昌選手(岡山65期・49歳) ↓②沢田勇治選手(山口98期・31歳) ↓⑥阿部亮治選手(広島64期・52歳) |
九州3車ライン | ↓③真崎章徳選手(佐賀113期・24歳) ↓①原清孝選手(沖縄98期・43歳) ↓⑤梶原恵介選手(大分92期・38歳) |
7車立てレースの多い最近ではよく見る二分戦で、Sを取って正攻法に構えたラインがカマシに来るラインを突っ張って、そのまま逃げ切るという戦法がよく採られます。このレースでも若手先行タイプの③真崎選手が予想通りSを取りました。結果、周回はこの並び。

⑦がカマシに行くところを③が突っ張れるかどうかというレース展開がオーソドックスなのですが、先に動いたのはベテラン追込タイプの4番手⑥阿部選手。赤板ホームで③の前まで一気に出ます。

⑥が③の動きを抑えている間に⑦④②がさらに前へ出て、⑥が後ろに付けた後は逃げ展開。捲りに来た③真崎選手を②沢田選手が横にけん制して抑え込み、中国ラインがそのまんま1着から4着まで独占という結果になったのです。
勝利の秘策は「イン切り」にあり!?
この⑥阿部選手がおこなった戦法を「イン切り」といいます。
後方の選手が外から上昇し、隊列の先頭を走る選手の前に出てインコースに切れ込むことを「インを切る」といいますが、
これをおこなうのがラインの先頭にいる先行タイプの選手ではなく、番手にいる追込タイプの選手がおこなう戦法を特に「イン切り」といいます。
目的は「先頭を走るラインが前に出る動きを封じる」のがひとつ。
その上で「自分が属するラインをすんなり先行させる」ためです。
今回のレースでいうと⑦が上昇してきたところに③は合わせて踏んで突っ張りたいところなのですが、前に⑥がいるので踏めずに下がるしかなくなる。⑦④②はすんなり前に出られるというわけです。
イン切りは、強者を倒す「必勝法」!?
最近でも目標のない自在追込タイプの選手がインを切って後方から来るラインの番手に飛びつくという戦法はよく見られますが、ラインの番手の選手が先に動き出す「イン切り」はほとんど見られません。
しかしその昔、’80年代から’90年代にはよく見られた戦法でした。中野浩一というとてつもなく強かった選手を打ち負かすために、地区の枠を越えて集結した「フラワーライン」という策で吉井秀仁元選手などが用いていた戦法です。吉井秀仁氏は「イン切りの達人」を呼ばれていたほどです。
1着を目指すため、ひとつでも上の着を目指すためには自分が属するラインが最終コーナーを回ったときに先頭を走っていなくてはなりません。そのために編み出された戦法のひとつです。
7車立て二分戦では突っ張り先行一辺倒だったところに一石を投じた「イン切り」。ブーム再燃……とまではいかないにしても、競輪には多彩な攻めがあることを最近始めた人にも知ってもらえたレースになったと思います。
F1、F2では来年の3月まで7車立てのレースが続きます。7車立てでも競輪本来の楽しさや奥深さを十分に味わえるのだと、阿部亮治選手の「イン切り」が教えてくれました。複雑なように見えて、その実、筋の通ったわかりやすい動きが展開される競輪の予想を今後も楽しんでいきましょう♪
ラインは以下の8種類の構成で組まれることが多い傾向
- 「北日本ライン」北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島
- 「関東ライン」 東京・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨・長野・新潟
- 「南関東ライン」神奈川・千葉・静岡
- 「中部ライン」 愛知・岐阜・三重・富山・石川
- 「近畿ライン」 京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌・福井
- 「中国ライン」 広島・山口・岡山・島根・鳥取
- 「四国ライン」 愛媛・香川・徳島・高知
- 「九州ライン」 福岡・熊本・長崎・佐賀・大分・鹿児島・宮崎・沖縄
競輪場などで観戦する場合は、レース前に映像が放送されているモニターにもラインが公開されています。
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